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我々が普段はいている一般的なジーンズは、シルエットにこそ多少の微差はあるものの、おおよその外形デザインに大きな変化はありません。そこでA.W.Aでは、先に述べた生地や縫製だけでなく、付属パーツにまでこだわり、既に完成されたジーンズの中にアイデンティティを確立し、価値を高めてます。

ジップへのこだわりは、その一つです。ジッパーをジーンズが当たり前のように採用するようになったのは、服飾全体でみると決して早くありません。旧来のデニムは洗うと縮み、シルエットが変わってしまうため、ジップの噛み合わせが悪くなります。多くのヴィンテージジーンズがボタンフライであるのはこのため。やがて技術が進み、サンフォライズド(防縮加工)という、あらかじめ生地を縮ませたデニムが開発されました。極めてプリミティブな発想ですが、縮率を均一させるのは当時だととても難しく、画期的なもの。これによりデニムとジップとの相性が飛躍的によくなりました。ジッパーフライのジーンズが当たり前のように存在し始めたのは、デニムの進化の現れ。ボタンフライよりも当然、脱ぎ穿きがしやすくなったジーンズは、それまでのカウボーイ達のためのものから、広く一般的に普及し、市民権を得るようになりました。

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ジーンズの革命とも呼ばれるジッパーフライの誕生を支えたのが、米国のTALON社です。数々のジッパー会社が生まれては消えてきましたが、ジッパーの祖とも言われているTALON社は、長い間多くのワークウェアに採用されてきました。A.W.AはこのTALONジッパーを用いることで、古き良きを表現しています。

また、姿見に大きな変化がみられない5ポケットのジーンズにおいて、ボタンやリベットも非常に有意義な広告媒体になり得るもの。A.W.Aでは、これらをすべてオリジナルで製作しています。銅製によるそれに5STARの月桂樹を刻印を施したボタンは、もちろんここだけのもの。リベットは、ヴィンテージジーンズに見られる打ち抜きリベットと呼ばれる手法を使っています。デニムの裏側から凸のあるリベットを打ち抜き、表面のドーナツ状のカバーをで固定するこの構造は、人の手で力任せに打ち抜くために、リベットの周りに解れ糸が出てくるのが特徴。そんな見た目の荒々しさもまた、ヴィンテージならではの魅力であり、それを再現する心意気もまた、現代に多く存在するジーンズの中にきらりと光る、大切なアイデンティティです。

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